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■2010年2月3日発行

定期昇給


【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
定期昇給とは、各従業員が1つ年齢を重ねることによる生活支出の増加を支援することなどを目的として、各従業員の年齢・年功に応じて昇給させることをいう。略して、定昇(ていしょう)と称されることも多い。

 

労使交渉の場面で、定期昇給と並んでよく耳にするベースアップは、世間の物価上昇に対応して賃金の実質的な目減りを回避することなどを目的として、全従業員の基本給(ベース)全体を一律に底上げさせることをいうことから、定期昇給とは異なる。

 

http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_5194.html

 

 

【昨今の状況】

先月26日、2010年春闘に向け、経団連の御手洗会長が「連合」会長ら労組の幹部と懇談し、雇用確保を優先するために個別企業において実質的な賃下げとなる定期昇給の凍結が起こりうるとの認識を示し労組側の理解と協力を求め、労組側は(ベースアップ要求を行わないことを前提として)定期昇給の絶対維持を求めた、と報道されています。

 

定期昇給は、勤続年数・年齢を重ねることに対して生活支援や生産性向上に報いる観点から昇給をさせることをいいますが、個別企業における定期昇給の実態は企業ごとに大きく異なっています。というのも、実際に春闘・労使交渉の場面で定期昇給の凍結が問題となりうるのは、制度に明示的な規定(年齢給・年功給や、在職年数に応じて能力給が増額されるような賃金表・給与テーブル)がある企業に限られるからです。言い換えれば、定期昇給に関して明示的な規定を設けていない企業では労使交渉をすることすら必要なく、実態的に定期昇給を凍結することが可能になるわけです。

 

こうした実態に鑑みると定期昇給の凍結が問題になるのは、実は経団連の会員企業のように高度成長時代に人材を確保する必要に迫られて年功序列型人事制度を導入した重厚長大企業であり、また、そうした風潮を引きずった大企業・中堅企業群ということになります。バブル崩壊後に設立された企業や制度改革を通じて成果主義型人事制度へ移行を果たしている企業では、定期昇給が問題になることはあまりありませんし、ましてや世間一般に多くの中小・零細企業群では問題になることはありません。業務内容や役職、役割と責任(職務給)に応じて給与を決定することが一般的な欧米企業においても、定期昇給が問題になることはありません。

 

さはさりながら、定期昇給を明文化していない企業や行わない企業群においても、年齢と給与金額の相関関係を散布図化すると大概右肩上がりの傾向を示しています。定期昇給を明文化している企業における散布図との比較をすれば、同年齢における上下限幅が、定期昇給を明文化している企業に比して明文化していない企業のものが多少大きい程度ではないでしょうか。

 

"不利益変更"をやすやすと受け入れられない上述の労組の立場もわからなくではないものの、改めて定期昇給凍結反対について考えるにつけ、大企業に就労する労組の贅沢な主張とも思えるところです。個々の従業員にしてみれば、相互扶助的な思考を捨てて優秀で必要な人材に対するある程度の傾斜配分拡大を容認・希望する声も大きいのではないでしょうか。そうした考えを反映してなのか、労組の組織率は年々低下の一途を辿っていると聞きます。労組も、"寄らば大樹の陰"的な思考から自ら脱し、企業との相互発展の道を前向きに模索できないものかと感じてしまうところです。

 

 

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