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■2009年3月11日発行
ポイント引当金
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
ポイント引当金とは、航空会社や小売店などが発行しているポイントのうち、(費用処理していない)期末ポイント発行残高に対する将来利用見込額を引当処理した場合の引当金。
ポイントの発行は、発行会社にとって、値引きの先送りという性格を有しているため、ポイント発行額は一種の費用の繰延である。このように考えると、ポイントの発行残高のうち、将来の利用見込額について、会計上は、ポイント発生期に費用処理し、引当金を積み立てておくべきということになる。
現在(2009年現在)、日本では、ポイント引当金を含むポイント処理ルールについては、明確な基準がないため、各社で処理方法が異なっているものと考えられる。
IFRS(国際会計基準)では、ポイントの発生を負債の発生と捉え、ポイント発生時にポイント発生額に将来の見込み利用率を乗じた公正価値を負債として計上する(その分、売上が減少する)方法を採用している。
なお、税務上はポイント引当金繰入額の損金算入は認められていないため、ポイントの使用が発生した期の所得計算にのみ影響することとなる。
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_4630.html
【昨今の状況】
航空会社のマイレージ、家電量販店等の小売店やクレジットカード会社のポイントに代表されるポイント制度(カスタマーロイヤリティープログラム)は、今やすっかり生活の一部になっています。
企業にとっては「欠かせないマーケティングツール」となり、消費者にとっては「個人の資産」とも言えるまで成長しています。
一方、これまでも過剰なポイントサービスが本当にその企業にとっての利益最大化につながっているのかという疑問が長らく提示されてきました。
ポイントの発行が、そのコストに見合うだけの顧客誘因効果をもたらしているのかの判定は極めて難しいこともあり、費用対効果以上のポイントを発生させていた企業も少なからずあったように見受けられます。
昨今では、特にクレジットカード会社の業績不振などを背景に、少しずつではありますが、このポイントの費用対効果の見極めと適正なサービス水準の模索が進んできているようです。現実に、クレジットカード会社のポイントのマイル移行手数料の値上げやポイント還元率の引き下げ、ポイント制度の廃止といった話題がたびたび取り上げられるようになってきています。
今のところ、会計的な側面がポイント制度見直しに関連しているわけではないようですが、本日のキーワードである「ポイント引当金」の会計制度次第では、より一層、この流れが加速する可能性もあります。
国際会計基準では、ポイントの発生時にポイントの公正価値を負債として計上することを求めています。この公正価値は、提供する商品等の売価ベースとなっており、国際会計基準に従うと、ポイント等を発行する多くの企業が、現在積み立てているポイント引当金以上の負担(負債の増加)を余儀なくされる可能性があります。
日本でも、2011年6月末までに国際会計基準との違いを解消するという流れがあるだけに、ポイント等を多く発行している企業にとって、重要な会計制度導入が起こる可能性があるわけです。
このような会計ルールの導入が、消費者にとって、ポイントサービスの不利益変更を誘因するとなると、一見、好ましいことに見えませんが、現状、企業間によってかなり差のあるポイント負債の認識ルールが統一されることは、消費者にとっても悪いことではありません。
今のところ、ポイント発行企業の破綻によるポイント失効が社会問題にまでなったことはありませんが、これだけポイントの流通が広まると、そのような事態も想定しておかなければなりません。最悪のケースとしては、何らかの不祥事等をきっかけにポイントの取り付け騒ぎが発生し、それが企業の破綻原因となる、というケースまで考えられます。
ポイントに関する企業の負債認識ルールが統一されれば、そのポイントの信用度もわかりやすくなりますし、企業がその負担を会計上明らかにしておくことで、過剰な隠れ負債の発生、それによる破綻といったリスクが軽減されることにつながるとすれば、消費者にとっても有意義な情報提供ということになります。
国際会計基準に沿った運用が日本でも始まるのか現時点では不明ですが、これだけポイント流通の重要度が高まる中、統一的なルールがないのが問題なのは明らかです。
日本でも近いうちに、この会計制度について本格的な整理が始まるのではないかと思われます。
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