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■2008年8月21日発行
外国税額控除
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
外国税額控除とは、日本で課税される所得の中に、外国で生じた所得があり、その所得に、その国の法令で所得税に相当する税金が課税されている場合、一定額を所得税額から差し引くという制度のこと。
国際的二重課税防止のための制度。
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_655.html
【昨今の状況】
「<企業の海外利益、非課税に 経産省が税制改正案>経済産業省は日本企業が海外で稼いだ利益の国内還流を促す税制改正案を固めた。25%以上出資している海外子会社から受け取った配当を非課税にすることが柱となる。経営のグローバル化が進む中で企業は税率の低い海外に利益を残す傾向を強めている。こうした海外利益を日本に戻して国内投資などに振り向けやすくする狙いで、2009年度税制改正に向けて財務省との調整に入る。 2008/08/17 【日本経済新聞】 」
今年の夏は、北京オリンピックでの日本選手の活躍の話題で盛り上がりを見せていますが、世界で活躍しているのはオリンピック選手に限らず、日本の企業も同様です。グローバルに活躍している日本企業の海外利益が非常に多いというのはよく知られたところですが、上記の新聞記事は、日本企業の海外利益に対する二重課税を防ぐ制度の改正が検討されている、と述べています。
それでは、海外利益に対する二重課税とはどういうことなのでしょう。
例えば、日本企業の海外子会社で利益が計上された場合、当然、現地では法人税が課されます。これを日本に配当した場合、日本企業(海外子会社から見れば親会社)では配当に対してさらに課税が生じることになります。そうすると、現地で稼いだ利益に対して二重に課税が生じていることになります。このような二重課税は、現地法人を設立せずに支店などの形で事業を行っている場合にも生じてしまいます。
現在、日本では、このような二重課税を回避するための制度として、外国税額控除方式が採用されています。外国税額控除方式の概要は上のキーワード解説に述べたとおりですが、この方法によると、控除されるのは海外で支払った税額が限度となります。したがって、日本の法人税率のほうがその海外の国の税率よりも高い場合、日本に配当として還流すると、その企業にとっては税率差の分の課税がやはり生じてしまいます。その結果、海外での利益が日本に還流せず、海外に留保されてしまう傾向が生じやすいといえます。そのため、上記新聞記事にあるように、外国税額控除方式を基本とする現行の二重課税防止制度の一部を改正し、海外子会社から受け取った配当を非課税とすることによって日本へ利益を還流させ、例えば日本での研究開発投資の活発化を促すことができるよう、税制を改正することが検討されているのです。
実際にどのような制度になるかは、2009年の国会での議論を待たなければなりませんが、このような国際的な財産の移転に対する課税方法の変更は、法人に限った話ではありません。例えば、海外での財産の贈与など、何らかの形で国境をまたぐ形で行われる個人の相続・贈与に関連する課税については、2000年からの税制改正により、むしろこれを強化する方向へと変わってきています。
スポーツの世界でも、今年のオリンピックでの体操(採点方法の前回オリンピックとの違い)、野球(タイブレーク制度の導入)などのように、ルール変更が話題となることがありますが、税制も毎年のように重要な改正が行われています。2009年の税制改正では、上記の海外利益に対する課税方法の改正の他、相続税などの抜本的な改正も検討されています。企業も個人も、税制改正の動きに敏感になることがますます重要となっているといえます。
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