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■2008年7月16日発行
路線価
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
路線価とは、土地の公的な価格指標の一つであり、相続税及び贈与税の課税価格を算定する際に適用するものである。国税庁から毎年7月に各地域ごとの路線価図として公表され、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額が千円単位で表示されている。
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【昨今の状況】
「国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2008年分の路線価(1月1日現在)を公表した。全国約38万地点の標準宅地の平均路線価は1平方メートル当たり14万3000円と前年比で10.0%増え、3年連続で上昇した。伸び率も同1.4ポイント上昇したが、東京都や大阪府の都心部の一部で伸び率が鈍化するなど頭打ち感も出てきた。 2008/07/1 【日本経済新聞】 」
毎年夏になると、国税庁によって路線価が公表され、上のような地価の上下変動についてのニュースを耳にすることになります。しかし、1年間新聞を読んでいると、路線価以外にも、地価の公表についてのニュースがあるように感じませんか。その理由は、不動産の価格の基準として公表されている指標がいくつかあるからです。路線価の他にも、国土交通省が公表する公示地価、各都道府県が公表する基準地価格、そして、各市町村が公表する固定資産税評価額などがあります。
もちろん、実際の不動産の売買価格は売主と買主の交渉によって決定するものですが、各指標にはそれぞれの意味・用途があり、路線価は、土地に関する相続税・贈与税上の課税価格の算定のために用いられているのです。つまり、相続税・贈与税は納税者の自主的な申告納税により課税されるものですが、資産の価値評価は難しいため、とりわけ土地の課税価格について、国税庁が画一的な指標を路線価として公表し、納税者が自ら申告を行うことが可能なようにしているわけです(路線価の公表されていない地域は別の方法によります)。
ここで、路線価に関して知っておきたい重要なこととして、路線価は実際の取引価格のおおむね80%となるように決定されている点があります。いわゆるバブル時代には、借入によって賃貸不動産を所有することによって相続税の軽減が図れるという手法がもてはやされていましたが、そのからくりの一つは、路線価と本来の取引価格との差にあります。つまり、借入金によって同額の資産が増えるということであれば相続税の課税対象となる正味の資産に影響はありませんが、例えば、100の借入金によって所有した時価100の賃貸不動産について、相続税の評価上は80で評価されれば、正味の資産はマイナス20となり、相続税の課税対象となる資産の合計値を減少させる効果を持つ場合があるのです(実際には、賃貸不動産のうち建物分について生じる評価のギャップも、課税価格の減少に大きな影響を持っていました)。
しかし、そのような相続税対策はその賃貸不動産が収益を生み出すことが前提となります。バブル崩壊後の地価の下落や家賃収入の減少は、結果として、資金繰りや借入金の弁済などに大きな影響を与え、最悪のケースでは、やむなく不動産を手放さざるを得なくなった事例もあります。節税策としてもてはやされた手法が逆効果を生み出すこともあるのです。
このような事例は、何も相続税対策に限った話ではなく、各人にとって税効率のよい手法の選択、ひいては資産運用全体において生じうる話であり、確かな知識に裏打ちされた判断が必要となってくるのです。場合によっては、自分で知識を身に付けることに加えて、信頼の置ける専門家に相談することも必要になるかもしれません。
ひとまず、現状の自分や親族の保有資産の相続税・贈与税上の価格を知りたいという場合は、国税庁のホームページ(http://www.nta.go.jp/)上で、公表されたばかりの路線価を見ることができます。
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