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■2008年6月20日発行

ストックオプション制度


【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
ストックオプション制度とは、会社の将来の株価と連動した長期インセンティブ制度の1つである。

 

会社が取締役や従業員、その他外部の取引先等を対象として、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で、自社株を購入することのできる権利(ストックオプション)を与える制度である。

 

株価が権利行使価格より上昇した場合は、権利を行使し、市場より安い価格で自社株を購入することができる。市場で売却すれば差額がキャピタルゲイン(株式の値上がり益)となる。
反対に株価が権利行使価格を上回らなければ、権利を行使しなければよく、株価下落による損失はない。現物の株をもらうのではなく、株式を一定の金額で買う権利が付与されるため、対象者にしてみれば、リターンはあれどもリスクはないと言える。

 

ストックオプションをインセンティブのツールとして取り込むことで、経営幹部だけでなく、従業員の株価に対する意識が高まり、業績向上、株主重視の経営に結びつく。さらに、市場価値の高い人材を確保する手段としても有効である。

 

http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_753.html

 

【昨今の状況】

我が国においてもストックオプション制度が定着し、法制度の改定や費用処理化などの影響により年度ごとには大きく導入企業数が変動する傾向にあるものの、上場・非上場とを問わず、多くの企業で身近に見受けられるようになってきました。費用処理化についての議論は多くの研究機関等によって提示されているところですが、実際にその効果を最大化する観点から見たときの設計状況については実はあまり議論がなされておりません。

 

ストックオプションはその導入に際し既存株主の持分を希薄化させるおそれがあることから株主総会の決議を要することから、ひとつの企業で何度も付与するわけにはいかないという事情があります。現に、大和総研の調べで意欲向上目的で導入した上場企業936社のストックオプションの付与回数は、総計で1722回と一社あたり平均1.8回というデータもあります。

 

1997年の解禁以来10年が経過し、その間導入した企業にも新入社員や中途入社社員が当然に入社したでしょうし、付与された時点よりも出世して会社業績に大きく貢献することになった社員もいることでしょう。こうした社員に対して、既に導入されているストックオプション制度はどのように対応しているのでしょうか。弊社にて独自に上場企業のストックオプション導入企業を無作為に30社抽出し、付与するストックオプションの行使にあたって昇進・昇格(降格も)や退職がどのように条件として設定されているのかを調査してみました。昇進・昇格(降格含む)について条件設定している企業は皆無(もしくは不明)で、退職後の権利行使についてのみ規定している企業が21社(70%)あっただけでした。(その内訳は、9社が退職後の行使不可、5社が有期での権利行使可、7社が退職後も行使可)

 

開示情報中の情報であることから、実際に付与契約上どのような設計がなされているのかは不明な部分もあるかもしれませんが、このデータを見るかぎり、多くの企業では一旦付与したストックオプションは付与しっぱなしとなっており、退職後の行使について許容する場合はあっても、昇進や昇格、中途入社社員らに対する事後の調整はあまり行われていないのが実状のようです。こうした問題は、今後ストックオプション制度がますます定着するにつれ、かえって制度が本来の趣旨に適わなくなっていく問題をはらんでいるといえそうです。

 

 

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