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■2008年5月28日発行

ファイナンスリース

【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
ファイナンスリースとは、実体としてリース物件に対する融資としての性格が強いリース取引のこと。

 

リース取引は、ファイナンスリースと、オペレーティングリースに分類される。

 

次の2つの要件に当てはまるリースがファイナンスリースと分類される。
1)リース期間の中途での解約が、契約上あるいは事実上不能であること(ノンキャンセラブル)
2)経済的利益とリスクが実質的に借手に帰属すること(フルペイアウト)

 

実務的には、次の3つの条件のいずれかに当てはまるリース取引がファイナンスリースとされる。
1)リース物件の所有権が借り手に移転する
2)リース物件の取得価格のおおむね90%以上がリース料として支払われる
3)リース期間が耐用年数のおおむね75%以上である

 

ファイナンスリースと分類された物件は、これまで以下のように会計処理されてきた。
所有権移転型)売買処理(融資と同じ会計処理)
所有権移転型以外)売買処理と賃貸借処理の選択(賃貸借処理を選択した場合注記が必要)

 

リース会計基準の変更に伴い、2008年4月以降に始まる事業年度に対し、所有権移転型でないファイナンスリースも賃貸借処理は選択できず、売買処理が強制されることとなっている。

 

http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_2848.html

 

【昨今の状況】

キーワード解説にあるとおり、2008年4月以降に始まる事業年度から、リースに伴う会計処理が大きく変更されます。
これまで、日本では、リース取引の大半を占める(所有権が移転しない)ファイナンスリースについて、賃貸借処理が選択できましたが、今後は、売買処理の適用が強制されることになります。
すなわち、これまではリース料を費用計上するだけでよかったリースの会計処理が、仮の売買処理を行い、リース資産の購入と、リース会社からの借入を発生させる会計処理に変更になるわけです。

 

リースを利用する側にとって、これまで貸借対照表には表示されてこなかった新たな負債項目(リース債務)が発生することとなり、実態は変わらないものの、自己資本比率等やROAといった経営指標は悪化することになります。

 

また、実務的にも、これまではリース料を費用計上するのみであったものが、減価償却費相当額の計上、利息相当額の計上と元本残相当額の計算が必要となり、会計処理も煩雑になります。

 

会計の現場から見ると、良いことのない制度変更のように思えますが、ファイナンスリースの売買処理は、国際的に標準的な会計処理であり、また、投資家の立場からすると、実態は借入であるファイナンスリースがオフバランスになっていることによる開示財務諸表の歪みが是正されるという意味で歓迎すべき制度変更ともいえます。

 

繰り返しになりますが、リースのユーザから見ると、今回の制度変更により、オフバランスでの資金調達ができるというメリットがなくなる他、事務の省力化、費用の平準化といったその他のメリットが薄れることは事実です。
カーリースやコピー機リースのように、機器等のメンテナンスサービスなどがセットになっているようなリースには、事務処理の観点等から一定のニーズが続くでしょうが、リース取引の大半を占める金融目的のリースのニーズは確実に減少することになるでしょう。需要の減少が見込まれるからこそ、リース業界は、この会計処理の変更に対して反対していたという事実もあります。

 

リース業界は、1963年に日本にリースが導入されて以来、バブルが崩壊する90年代まで高い成長を続けてきました。
バブル崩壊による不良債権の発生、低金利に端を発する競争激化による採算悪化という厳しい時代をようやく終えつつある中での今回の制度変更は、業界にとって大きな痛手となる可能性があります。
業界の再編などが更に進む可能性も高いと思われますし、業界としては生き残っていくためにいかに資金調達以外のメリットを付加できるかが重要になっていくでしょう。
今年から強制適用される新リース会計基準に伴い、リース業界がどう動いていくのか注目に値します。

 

 

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