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■2008年1月30日発行
EDINET
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
EDINETとは、平成12年の証券取引法改正から導入された、インターネットを利用した電子開示システムのこと。
情報開示者は、開示書類を専用ソフトをインストールした端末からインターネットを通じて当局へ提出され、ネット上で広く公衆の縦覧に供される。
法律上の電子開示の対象書類は、有価証券報告書、半期報告書、臨時報告書、発行登録届出書、公開買付届出書など。
平成19年4月からは、大量保有報告書も電子開示が義務化されている。
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_3709.html
【昨今の状況】
EDINETは、キーワード解説にあるとおり、有価証券報告書をはじめとする様々な開示書類をインターネット上で閲覧可能にしたシステムです。
EDINETは、株式投資を行っている方や、財務分析を手掛ける方にとって、今や無くてはならないツールになっているかと思われます。
また、情報開示の迅速性を高め、機関投資家と個人投資家の情報格差を縮小するといった意味からも、極めて重要な金融市場の公共インフラとなっています。
1月25日の夕刻16時過ぎ、川崎市の企業、テラメントは、トヨタ自動車、ソニー、NTT、三菱重工業、フジテレビジョン、アステラス製薬の6社の株式51%を取得したという不正な内容の大量保有報告書をEDINETに掲載し、ちょっとした騒ぎになりました。
報告が事実だとすると、総額20兆円にものぼる大量保有報告であり、技術的にもこれらの企業の株式を一気に51%も取得することは不可能であることから、すぐにその提出内容は不正なものであると判断され、金融庁も迅速な対応をとったため、市場への混乱を招くには至りませんでしたが、EDINET掲載情報の信頼性を損ねかねないと言う意味で、重大な意味を持つ事件となっています。
このような事件が起こると、EDINETに掲載された情報は全て真実なのか、虚偽の情報に市場が影響を受けてしまう可能性は無いのか、といった疑念が当然持ち上がります。
金融庁は、「EDINETの特性を生かした上で、虚偽の事案を排除できるシステムを考えていきたい」とし、明らかに虚偽の疑いがある異常な情報を検出するシステムの導入などの検討を開始しています。
ですが、真に問題となるのは、「誰にでもわかる明らかな虚偽」ではない虚偽情報が掲載されたときの対応です。
今回のような「誰にでもわかる明らかな虚偽」であれば、市場への影響は限定的なものになるでしょうが、「もしかすると真実かもしれない」虚偽の情報が掲載されれば、その銘柄への影響は甚大なものになりかねません。
一方、開示手続きの規制・事前チェックを大幅に強化し、情報開示の迅速性・情報開示者の利便性を失わせれば、日本の金融市場へ負の影響を与えることにもなりかねず、扱いの難しいところです。
開示システムとして、どの程度の規制・事前チェックをかけるかは、利便性と信頼性のバランスで考えざるをえませんが、もう一方で重要なのはこのような虚偽の情報の掲載に対する抑止力の強化、具体的には罰則の強化でしょう。
最近NHK職員のインサイダー取引が大きくメディアに取り上げられましたが、インサイダー取引は、2006年7月より罰則が強化され、「5年以下の懲役、500万円以下の罰金、その併科」「行為者が法人の業務や財産でインサイダー取引を行った場合、法人に対しても5億円以下の罰金」という罰則が定められました。
開示情報の虚偽提出は、金融商品取引法により、インサイダー取引と同程度の罰則(5年以下の懲役、500万円以下の罰金、訂正しなければさらに懲役1年、年間100万円が加わる)が定められていますが、市場に対する影響度、その悪質さから、罪の大きさはインサイダー取引を上回るものとも考えられ、罰則の強化、迅速に対応可能な課徴金制度の導入などが求められるかと思われます。
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