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■2007年12月12日発行

SWF

【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
SWFとは、"Sovereign Wealth Funds(ソブリン・ウェルス・ファンド)"の略称で、政府系投資ファンド・政府系ファンドのこと。
NWF(National Wealth Funds)と呼ばれることもある。

 

政府系投資ファンドとは、国家の外貨準備金等を運用するファンドのこと。
外貨準備金等の国家の対外資産は外国債などで運用されることが多いが、多額の外貨準備高をもつ石油原産国等は、その一部の運用について、SWF(プロのファンドマネージャ)を活用し、債券に限定せず、外国株式や不動産などでの積極的な運用を手がけるようになってきている。

 

中国、シンガポール、アラブの石油産出国などで設立されており、運用金額の大きさから、市場へ大きな影響を持つ存在となってきている。

 

http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_3867.html

 

 

【昨今の状況】

最近、SWF(政府系投資ファンド)に関する新聞報道が増えてきています。
SWFの動向に関する報道が増えてきているのは、その巨額な運用資産と積極的な運用方針から、市場への影響が極めて大きなものとなってきていること、米ドルを中心とする世界経済への影響を及ぼしかねない動きであること、などが理由として挙げられるかと思います。

 

各国のSWFの運用資産総額は、2兆5000億ドル(約275兆円)と推測されており、ヘッジファンドの運用資産(2006年末で1兆4000億ドルと推計)を上回っていると言われています。
米シティグループの増資を引き受けたアブダビ投資庁(アラブ首長国連邦のSWF)は、世界最大の運用資産を誇るSWFで、運用資産はなんと8750億ドル(約96兆円)にものぼるとされ、その資金運用は、各国の市場関係者の注目を集めています。

 

ここ1ヶ月だけでも、11/26に中国のSWF・中国投資有限責任公司が日本への投資を開始するという一部報道により、株価の急伸をもたらし、続けて翌日の11/27には、前述のアブダビ投資庁による米シティグループに対する75億ドル(約8000億円)の出資発表により、発表を受けた27日の株式市場後場は、前場終値に対して、大きく上昇しました。
このように、SWFの投資方針に関する報道が、日本の株式市場にも大きな影響を与えたことにより、日本の一般投資家にもSWFの存在を強く印象づける結果となりました。

 

また、8月にはユニクロを運営するファーストリテイリングが、米高級百貨店であるバーニーズ・ニューヨークの買収案件において、アラブ首長国連邦のSWFの一つであるイスティスマルに競り負けたというニュースも記憶に新しいところです。イスティスマルは、世界一有名な豪華客船である「クイーンエリザベス2世号」の買取りでも、ニュースになっており、様々な投資対象への投資を行うSWFの典型とも言えるかと思います。

 

このようなSWFの投資姿勢は、世界経済全体への影響を及ぼすことも考えられます。
中国のように巨額の外貨準備高を米国債中心で運用している国が、ドル建の運用から多通貨・複数資産への分散投資を進めていけば、米国債の下落、ドル安を招くことも考えられます。
このような事態は、中国自身にとっても好ましいことではないので、分散投資を急速に進めることはないでしょうが、長期的に見た場合、米国の巨額の経常赤字を支えてきたドル建外貨準備運用の一角が弱まり、国際金融秩序の変革を迫る一つの力になるかもしれません。

 

SWFの影響力が強くなってくるにつれ、各国政府のSWFに対する注目度もあがってきています。10月のG7財務相・中央銀行総裁会議では、SWFの活動実態が不透明だとの懸念が提示され、SWFの活動実態の透明性を高めていくことで、各国の意見が一致しています。

 

巨額の外貨準備を抱えるという意味では、日本も、中国や石油原産国と同様です。
日本の外貨準備高も125兆円にも達しており、外貨準備以外にも、公的年金資金などを加えれば、国で運用している資金は更に多額になります。
これらの資金の効率的な運用を目的とし、日本にもSWFを立ち上げようという動きが出てくるのは当然とも言えます。
12/5には、自民党議員が、「資産効果で国民を豊かにする議員連盟」を旗揚げし、日本版SWFの立ち上げを探りはじめました。
一方、日本の外貨準備高の運用をドル以外に振り向けることによる世界経済・国際金融市場への影響は、中国と同様、非常に大きなものになる可能性があり、国際金融秩序の維持という観点からは、懸念も示されています。
今後、日本のSWF立ち上げを含め、世界各国のSWFがどのように動いていくのか、注目されます。


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