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■2007年12月7日発行
永続価値
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
永続価値とは、一定のキャッシュフローが半永久的に継続する場合のキャッシュフローの現在価値のこと。
永久年金、継続価値とほぼ同義。
永続価値は以下の算式で算出される。
算式:年間キャッシュフロー÷割引率
永続価値の算定にあたって、キャッシュフローが年々一定程度成長(あるいは減少)していくと仮定する場合(成長永続価値)は、以下の算式になる。
算式:年間キャッシュフロー÷(割引率−成長率)
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_3867.html
【昨今の状況】
永続価値(継続価値)は、主に企業価値評価の手法であるディスカウントキャッシュフロー法(DCF法)において用いられます。
DCF法を用いて企業価値を算定する場合、将来キャッシュフローを予測して、これを現在価値に割り引きますが、キャッシュフローを予測できる期間には限りがあるため、予測可能期間を超える部分については、企業が永久に継続するという前提に基づいてキャッシュフローの現在価値を算定することになります。
DCF法は、優れた企業価値評価手法と言われる一方、永続価値を算定する際の前提条件次第で評価額が大きく変動するという短所もあります。
例えば、年間キャッシュフローが10億円で、割引率が5%の場合、成長率が0%であれば、永続価値は200億円ですが、成長率が1%になると250億円、2%ですと333億円となり、成長率を数%動かすだけで大幅に価値が増加する結果となってしまいます。
一般的に、予測可能期間は5年から10年程度とされ、この期間内のキャッシュフローを見積り、キャッシュフローの現在価値合計値を算出するとともに、見積最終年のキャッシュフローを用いて永続価値を算出し、両者を合計することにより企業価値を算出しますが、いくら精緻に予測可能期間内のキャッシュフローを見積もったところで、永続価値の占める割合が大きいため、永続価値の前提条件次第では結果は大きく変わってしまいます。
そもそも企業の競争優位性がいつまで保持できるのか正確に想定することは困難が伴いますし、また企業が未来永劫継続するという前提自体も現実を見れば必ずしも当たっているとはいえません。従って、永続価値を構成する要素そのものが相当の仮定に立脚しているともいえます。
企業価値評価が、サイエンスではなくアートだといわれる所以もこういったところにあります。
実際にM&Aの実務現場においてはこのアート的な性質を利用してそれぞれの当事者が自分たちに優位な条件を引き出すために、前提条件の置き方を試行錯誤しながら価値評価をあえて高く、あるいは低くして、交渉を行うことが普通です。
旧カネボウを巡っては、投資ファンドのTOBに応じなかった少数株主が、TOB価格が企業価値を適切に反映していないとしてTOB価格を大幅に上回る価格での買取請求を行い、訴訟が提起されています。
当事者はそれぞれ第三者の評価機関が算出した鑑定評価をもとに主張を繰り広げているわけなのですが、手法としては皆DCF法を使用しているにも係わらず、その評価には大きな隔たりが生じているのは、まさにDCF法が内在する短所そのものといえます。
これだけ見ると、DCF法が本当に有用な企業価値評価手法なのかといいう疑問もわいてきますが、一方でDCF法を遙かに上回る優れた価値手法があるわけでもなく、故にこれが多用されているというのが現状ではないでしょうか。もっとも将来を予測するという要素が入ってくる以上どんなに頑張っても企業価値評価から「アート」的な側面は排除できず、より精緻な評価手法の模索は永遠の課題といえます。
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