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■2007年10月10日発行

デスバレー

【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
デスバレーとは、最先端のイノベーションが事業化・製品化を前に頓挫する現象、または頓挫の要因となる事象のこと。
デスバレーを直訳すると死の谷。米国ネバダ州とカリフォルニア州の境界にある谷で、開拓時代の移民の多くがこの地を越えられずに死んでいったといい、このような超えられない谷を新技術開発にもあてはめてデスバレーと呼ばれる。

米国発の言葉だが、もともとは、先端技術の基礎研究には国などの支援があり、商品化の段階では民間の資金が流入しやすいが、その中間にある応用開発の段階には支援が得られにくく、ここで先端技術の事業化・製品化が頓挫してしまう事象が多いとされ、これがデスバレーと呼ばれた。
現在では、このような事象に限定せず、経営者のビジョン不足や組織内部の軋轢など、最先端のイノベーションの実現を妨げる要因全般をデスバレーと呼んでいる。

 

http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_3661.html


【昨今の状況】

次世代技術として注目を集めるイノベーションは数多く世にでますが、実際に製品として登場することができるまでには多くの時間が必要となり、また、多くの技術が製品として日の目を見ることができずにいます。
そんな中、ソニーは10月1日、有機ELテレビの製品発表を行いました。
製品として成功するかどうかは、まだまだわかりませんが、ソニーは有機ELという新ジャンルでデスバレーを乗り越えたことになります。

 

 

日本では、優れた技術をもちながら、新しいイノベーションを製品として生み出す力に欠けている、と長い間言われてきました。
実際、ある調査では製品化されていない技術を持っている企業は81%にものぼるという結果も出ています。
その要因としては、リーダーシップの不足、組織内の連携不足(セクショナリズムの弊害)、ビジョンやコンセプトを打ち出すための能力不足などがあげられ、日本版デスバレーとも呼ばれています。

 

ソニーの中鉢社長は、有機ELテレビの製品発表にあたり、「有機ELテレビの商品化には10余年にわたる研究開発、製造、販売の壁があり、大変長い道のりだった。数年前のソニーは、こうしたイノベーションプロセスが省かれているといわれていた。ここで世界初の有機ELテレビを発売できるのは、手前みそではあるが、技術陣の不断の努力、生産をした事業所、マーケティングの各部門のたすき掛けがしっかりとできたということ」と製品化への道のりについて説明しています。
新しい技術を実際の製品にまで結びつけるためには、数多くの工夫や努力が必要であることを示しているかと思います。

 

デスバレーを克服し、優れた技術を製品にまで結びつけるために、企業や政府も様々な努力を行っています。
例えば、研究開発部門と事業部門を結びつけるため、技術と経営の両面での活躍ができる人材育成の仕組みを作る、研究から事業化までを一貫して推進するための組織を組成するといった企業努力があがられますし、国や地方公共団体からすると、スピンオフを中心としたベンチャー企業の育成施策)などもこれにあげられるでしょう。

 

言うまでもなく、優れた技術をもっていても、それが実際の事業や製品に結びつかなければ、企業ひいては日本の競争力は向上しません。
国としても企業としても、優れた技術をどのように実際の製品に結びつけていくのか、具体的な施策を積み上げていく必要があると言えるでしょう。

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