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■2007年10月4日発行
債務超過
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
債務超過とは、通常、純資産(自己資本)がマイナスの状態になっていること。
すなわち、資産の金額を負債の金額が超過している状態のこと。
債務超過状態の企業は信用力が著しく低下するのはもちろん、上場企業の場合、1年以内に債務超過の状態が解消されないと上場廃止となる。
貸借対照表上の表面上は、債務超過ではなくても、資産の含み損などを評価した場合に債務超過に転落する場合、実体債務超過と呼ぶ場合もある。
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_2926.html
【昨今の状況】
東証は、10月13日付けでマザーズ上場のシステム会社フレームワークスの株式を上場廃止にすると発表しました。
これは、フレームワークスの監査法人が直近の決算(19年5月期)に対して監査意見を表明できないとして「意見の表明をしない」とする監査報告書を付したため、これが上場廃止基準に抵触してしまったからです。
フレームワークスは、業績不振が続き、19年5月末時点で債務超過の状態に陥りました。
債務超過への転落により、前年に発行したばかりの私募債の財務制限条項に抵触し、これの一括償還を迫られる可能性が高くなったのに加え、銀行からも短期借入金の返済を求められ、これを返済したとのことですから、おそらく資金繰り的には相当厳しい状況にあることが推察されます。
「債務超過」状態の場合、金融機関から新規の借入を行うのは殆ど不可能なのに加え、既存の借入金についても借換は出来ず、まずは返済を求められます。
また、取引先との取引条件も厳しくなる方向に変更を求められたり、あるいは最悪の場合、取引を打ち切られたりするため、資金繰り的にも営業的にも負のスパイラルに陥ってしまうのが通常です。従って、「債務超過」の状態に陥ってしまうと、資金難に陥り、事業そのものの存続が危うくなってしまうといっても過言ではありません。
この状態を脱却するためには、事業に何らかの魅力やシナジーを見出して救済の手をさしのべてくれる外部のスポンサーを見つけ、増資を引き受けてもらい、資金を調達すると共に、債務超過の解消もしくは緩和を目指すしかないといえます。但し、この場合スポンサーも相応のリスクを負うわけで、それ相応の見返りも求めてくるのが一般的ですから、会社が身売りされるに等しい状態を覚悟すべきといっても過言ではないでしょう。
フレームワークスの場合、債務超過に転落したのは19年5月末時点からですから、東証の規則上は直ちに上場廃止にはならず、1年後の20年5月末までに債務超過の状態が解消されていれば上場は維持されたはずです。
しかしながら、監査法人は、第三者割当増資の実現と金融機関の協力が確定していないとして、継続企業を前提として作成している財務諸表に対する意見を表明できないとして、監査意見を「差し控えてしまった」ため、上場廃止が決定づけられてしまったのです。
会社は、債務超過転落を見越して、外部のスポンサーと第三者割当増資引受の基本合意を5月末に締結し、7月19日までに株式引受契約を締結する方向で交渉していた模様ですが、それが相成らず、監査法人からは増資の実現性を疑われてしまったものと推察されます。
フレームワークスのケースは、債務超過が上場廃止のきっかけではあったものの、それ自体が東証の廃止基準に抵触したわけではなく、直接的には監査意見の差し控えが廃止基準に抵触したというものでした。
平成14年までは、債務超過に陥っても3年間以内に解消すれば上場廃止にはなりませんでしたが、基準が厳格化され、1年以内の解消が求められるようになりました。
もっとも、このケースが示唆するように、企業の継続性についても監査意見の対象に含めるとしている現行の監査制度のもとでは、債務超過を1年以内に解消するだけでは不十分で、債務超過に転落した時点で、実質的にこれを解消(もしくはこれがもたらす負の影響の排除)する施策、それも実現可能性が相当高い施策が講じられていないと監査法人のお墨付きをもらえず、即上場廃止になる可能性があるといえます。
なお、昨日フレームワークスは、大和ハウス工業グループと事業再生コンサルティング会社との間で総額10億円規模の資本増強に関する基本合意の締結を発表しています。上場廃止が決まっているにもかかわらず、大和ハウス工業グループがどのような経緯で、今回のスポンサー候補に加わったのかは興味深いところです。
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