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■2007年7月26日発行

決算公告

【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
決算公告とは、会社法の定めに基づき、官報または日刊新聞に掲載される財務数値のこと(会社法440条1項)。

 

会社法では、「定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない」と定められている。

なお、電子公告制度の導入により、Webサイトでの開示で公告に変えることができることとなっている。


http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_3593.html



【昨今の状況】

決算公告は、株式会社であれば規模に関係なく、これを実施する事が義務づけられており、これを怠った場合には、取締役は100万円以下の過料に処せられる事になっています(会社法第976条第2項)。従って、法令遵守を貫くのであれば、中小企業であっても決算公告は必ず行わなければならないことになります。

では、実態はどうでしょうか。中小企業庁が行っている「会計処理・財務情報開示に関する中小企業経営者の意識アンケート(平成18年度)」中に、「決算書の信用向上への取組み」という項目がありますが、「信用力向上に取り組んでいると回答した経営者」は全体の46.3%、そのうち取り組みの内容として「決算公告を行っている」と回答した経営者は、4.4%でした。すなわち、これだけ見ると、決算公告を行っている中小企業は、わずかに2.0%程度(46.3%×4.4%)に過ぎないことになります。おそらく実際には、比率はもっと低く、ほとんどの中小企業は決算公告を行っていないと思われます。

 

従来、決算公告を行う場は、日刊新聞もしくは官報に限定され、中小企業にとっては、費用的にも事務的にも負担が大きいことが、積極的に公告を行わない理由の一つとなっていました。しかしながら、現在はWeb上で公告することが可能となっており、事務負担も費用負担も軽減することが可能となっています。それでも公告が積極的になされないのは、中小企業にとって必要性がそもそも感じられないことと、過料100万円という罰則規定が有名無実となっていることが最大の理由であると考えられます。

 

中小企業の場合、株主=経営者であるケースが殆どで、資金調達も少数の限定された金融機関という場合が多いことから、公開会社が多い大企業と異なり、情報を広く積極的にディスクローズする必要性がそもそも薄いといえます。取引先に対しても、決算公告をしたからといって信用力が強化されるというわけでもなく、情報の積極的なディスクローズ→商機の拡大という因果関係が間接的にでも見えない限り、限られたリソースで経営をしている中小企業の経営者にとっては、積極的に公告を行おうというインセンティブはあまりないと言えるでしょう。

 

昨年施行された会社法は、中小企業の実態を勘案して、会社の機関を始めとする様々な面で実態に合わせた改正がなされました。そういった趣旨からすると、決算公告についても上述の実態を勘案した条文が盛り込まれてもおかしくはなかったのですが、従来通り、全ての株式会社に対して公告義務を課しています。立案者が斯様な実態を把握した上で、従来通りとした背景には、中小企業に対しても一定の情報の公開を求めていく姿勢があるとも推察できます。とすると、いままで有名無実化していた罰則規定が今後適用される事例が出てくることも十分に考えらるところです。会社法が施行されて1年が経過しましたが、このあたり今後の流れがどうなるか注視していきたいところです。

 

 

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