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■2007年7月4日発行

循環取引

【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
循環取引とは、複数の企業が互いに業務委託や商品の転売など経済的実態を伴わない取引を行い、売上をふくらませる取引手法のこと。


Uターン取引、まわし、などと呼ばれることもある。

架空売上の一種とされ、循環取引による不正な売上計上による有価証券報告書等の虚偽記載は、摘発の対象となる。



http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_3575.html

【昨今の状況】

ここ数年、循環取引が明るみに出る事件が続いています。
象徴的な事件としては、加ト吉の1,000億円にものぼる循環取引による不正売上計上事件、IXIの循環取引による経営破綻事件の2つがあげられますが、その他にも、NECエンジニアリング(NEC子会社)、富士通関西システムズ(富士通子会社)、伊藤忠テクノサイエンスといった大手企業、メディア・リンクス、アソシエント・テクノロジー、ネクストウェアといったベンチャー企業などの循環取引が明るみに出ています。

 

加ト吉事件は、資金繰りに窮した取引先を救うことを目的とした取引をきっかけに拡大したものと報告されており、循環取引の対象は実際の商品ですが、その他の循環取引はおおよそIT業界での取引です。

 

IT業界(特にベンチャー企業)は、売上の拡大に対する期待(プレッシャー)が強いこと、またソフトウェアの売上計上基準の曖昧さや仲介取引が頻繁に発生するといった業界特性が循環取引発生の土壌としてあげられると思われます。

 

これらの状況に対応するため、06年3月に企業会計基準委員会は「ソフトウエア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告)を公表し、07年4月からこの基準が実施されています。
また、これに先立つ05年3月にはにITサービス業の会計監査を厳格化するよう公認会計士に対して、書面での通知を行っています。

 

この基準のポイントとしては、「ソフトウェア取引の収益計上時期の明確」と「収益計上方法の厳格化」があげられます。
具体的な主な内容は以下の通りです。

 

1)ソフトウェア取引の収益計上時期の明確化
・分割検収取引における収益計上を厳格化し、「一定の機能を有する成果物を提供」「品日、入金条件等について事前の取決め」「納品完了の確認」を求めている
・複合取引の収益計上の指針を提示し、ハードウェアとソフトウェア、保守契約などの複数の取引が複合的に行われる場合、それぞれの契約上の対価を適切に分解してサービスの提供と収益の計上を整合させることを求めている(ただし、基準では複数のサービスの提供が顧客との間で明示されている場合に限定しており、米国のVSOE(Vendor Specific Objective Evidence)よりは緩い取り決めとなっている)

 

2)収益計上方法の厳格化
・単なる転売のようなソフトウェア販売による収益は、売上の総額ではなく、マージン(手数料)のみを収益計上することとしている

 

このような基準の整備により、これまでのような循環取引や架空取引といった不正売上計上は容易ではなくなってきていますが、不正を根絶するためにはそれぞれの企業が、問題の重要性を認識し、内部統制制度の整備とともに管理コストのある程度の増大を甘受する意識が必要です。
言うまでもなく、その場しのぎの不正会計処理は、企業の存続すら危うくする可能性のあるものであり、また循環取引はその性格上、一度始めると収拾がつかなくなるおそれのある不正です。
企業としては、これらの取引の発生を防ぐべく、体制を整備していくことがコンプライアンス上も、またリスク管理上も必須の事項と認識しなければならないと考えます。

 

 

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