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■2007年5月31日発行
バイアウトファンド
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
バイアウトファンドとは、投資ファンドの中でも、企業の株式を既存株主から買収し、その企業価値を高めてIPOや第三者への転売を通じて投資利益を得るファンドのことをいう。
未上場企業に投資するバイアウトファンドをプライベートエクイティファンドと呼ぶ。
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_1491.html
【昨今の状況】
ここ数年間で、日本でもバイアウトファンドの存在感はますます大きくなり、今や第2の資本市場とも言うべき存在となっています。
連日のようにファンドによる企業買収がニュースとなっており、つい先日もダイムラークライスラーがクライスラー株の80.1%を米国ファンドのサーベラスに74億ドル(約9000億円)で譲渡するというビッグディールが発表されました。
世界的な金余り状態もあって、ファンド全盛とも言うべき状況の中、今年3月に、米国バイアウトファンドの大手ブラックストーン・グループが株式公開を行うと発表しました。大手バイアウトファンドの株式公開はこのブラックストーン・グループが第一号となります。
ブラックストーンの株式公開後の推計時価総額は400億ドルとも言われています。
その金額的な大きさもさることながら、様々な観点から注目すべき株式公開となりそうです。
注目される点を、以下に簡単にまとめてみました。
@バイアウトファンドの収益実態の開示
これまで、一般的にバイアウトファンドの手数料体系や獲得した収益については、積極的に開示されてきませんでした。
上場会社となることで、ファンドの収益実態が明らかになり、ひいてはファンドに対する議会や社会の批判を招く可能性もあると言われ、その開示情報は大きな関心を呼ぶことになりそうです。
A変わった上場(Different Kind of Public Company)
ブラックストーンは、「我々は変わった上場企業を目指す」とし、一般株主の権利を制限し、長期的視野からの経営を行うとしています。
四半期決算の開示もしない、役員報酬の決定権も経営陣にあるといったイレギュラーな上場会社となることを目指しており、このような上場会社に市場や社会がどのように反応するのか注目されます。
B中国の出資
今回の株式公開にあわせて、中国がその外貨準備の運用として、ブラックストーン・グループに30億ドルの出資を行うと発表しました。
ブラックストーンの共同創業者、スティーブ・シュワルツマン氏は、「中国のさらなる市場開放の前兆となるよう期待している」とコメントしていますが、中国の巨大な外貨準備高の運用が今後どのように変化していくのか、また今回の出資が中国の市場開放につながっていくのか注目されます。
C公開企業としてのバイアウトファンドの適正性
米労働総同盟産別会議は、5月15日、「ファンドは米証券取引委員会(SEC)の監督外で、上場しても企業統治体制が不十分。投資家保護にも悪影響が出る」「ファンドへの投資家と上場後の株主のどちらにブラックストーンが善管注意義務を負っているのかが不透明」として、ブラックストーンの株式上場差し止めを米証券取引委員会(SEC)に要請しました。
この差し止め要請が、ブラックストーンの株式公開に影響を及ぼすかどうかは、未だ不透明ですが、その懸念は一理あると言えるかと思えます。
D大量に保有する未公開株の評価方法
会計的には、大量に保有する未公開株をどのように評価するのかが注目されます。
米国で2008年から適用される「基準書159号」では、市場価格のない金融資産・負債に関しても公正価値で評価するオプションを認めており、バイアウトファンドであるブラックストーンが未公開株の評価方法に公正価値評価を導入すれば、その影響額の大きさは巨額なものになることは容易に想像できます。
下手をするとエンロン事件の二の舞になりかねない話だけに、その評価方法や統制手法は注目に値すると言えるかと思います。
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