
exBuzzwordsから会員の皆様へ不定期で発行しているメールマガジンのバックナンバーです。
メールマガジンご希望の方は、トップページより会員登録をお願い致します。
exBuzzwordsのメールマガジンの内容及び会員登録については、こちらをご参照ください。
■2007年1月31日発行
カニバリゼーション
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
カニバリゼーションとは、企業が新製品を市場投入した場合などに、同じ製品ドメインに属するその企業の旧世代の製品や代替的な機能を有する製品の需要がその新製品に奪われてしまうこと。
製品投入に際しては、どの程度のカニバリゼーションが起きるのか、またその影響を極小化するためにはどのように投入すればよいのかが重要。
"カニバリ"と略されることも多い。
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_262.html
【昨今の状況】
カニバリゼーションは、新しい技術や商品、サービスが登場するときに、避けては通れない現象です。
カニバリゼーションと言えば、例えば「発泡酒の登場でビールの売り上げが下がってしまう」といった例で説明されることの多い言葉ですが、今回は、「新聞社によるWeb上でのニュースの提供による既存新聞の読者数減少」というカニバリ現象を少し考えてみたいと思います。
NHK放送文化研究所の「国民生活時間調査」(2005年版)によると、テレビ視聴は10年前と比較しても依然として長時間を割いているのに対し、新聞への接触時間は低下が続き、特に20代から40代の世代での新聞離れが続いている、とされています。また、20代から50代といった社会の中核層において、新聞を読まない人が増加している、という結果が報告されています。
新聞離れの原因を断定することはできませんが、手軽に必要なニュースを取り出せるネットの存在が、新聞離れを起こしていることは容易に想像ができます。
多くの新聞社は、各社でニュースを配信していますが、ネットでのニュース配信は過去ログなど一部のケースを除き、多くの場合は無料となっています。
新聞社からすると、無料のコンテンツを提供して、新聞離れが促進するのであれば、まさにカニバリゼーションの典型例と言えます。
一方、紙媒体の新聞のみに固執していては、会社の将来展望が描きがたいのは事実ですから、新聞社としては、ネットも活用しながら新たな収益源を模索していく必要に迫られていると言えます。
ただし、ネットでのニュース配信が新聞の役割を完全に代替するか、と言えば、否定的な意見が多く見られます。
端的に言えば、新聞はあらゆるニュースを分類し、(それが新聞社の主観であったとしても)重要性による枠割りをし、一覧性に優れています。
ネットでのニュースは、自分の興味があるニュースしか見なくなりがちですから、新聞のように、重要なあらゆるニュースを一通り把握しておくという使い方はしにくいコンテンツです。
実際、ネットでのニュースは、どちらかと言えばワイドショー的なニュースの閲覧数が圧倒的に多く、いわゆる堅いニュースの閲覧数はあまりのびないそうです。
今後、ネットでのニュース配信がますます発展しても、新聞のニーズがなくなることは、当面は無いでしょう。
ただ、新しいサービス(ネットでのニュース配信)が、既存のサービス(新聞)の需要を食ってしまうだけで終わってしまっては、芸がないといわざるをえないでしょう。
昨今では、Web2.0という言葉がもてはやされていますが、ネットで比較的容易な読者との双方向のコミュニケーションをうまく新聞にも展開する、あるいは単純なニュース配信以外の優良コンテンツをうまく開発し、ニュースによる集客力を活かした新たな収益源を獲得する、といった戦略を真剣に検討しなければ、新聞は衰退産業になってしまうかもしれません。
メールマガジン バックナンバーリスト
|