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■2006年11月29日発行

ゴーイングコンサーン

【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
ゴーイングコンサーンとは、「継続企業の前提」「企業の存続可能性」などと訳され、会社が将来にわたって事業を継続していくという前提のこと。

固定資産の取得原価主義、減価償却制度、繰延税金資産の計上など、現在の会計制度の多くは継続企業の前提によって成立している。

平成15年3月期より、このゴーイングコンサーンについて、監査人と経営者が検討を行うことが義務づけられている。
ゴーイングコンサーンに疑義ありと判断された場合、その内容を財務諸表等に注記することが求められる。

http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_2779.html

【昨今の状況】
バブル崩壊後、以前であれば考えられなかったような上場大企業の倒産が増加し、倒産して初めて不正会計や債務超過の事実が明らかになる事例が相次いただため、会計監査や監査法人に対する不信感がクローズアップされました。ゴーイングコンサーンの注記(継続企業の前提に関する注記)は、国際的にはすでに一般的となっていた会計慣行ですが、日本においても、このような状況を背景に平成15年3月期より制度化されました。

具体的には、企業が事業活動を将来にわたって継続して行なっていくことが難しいような事象(たとえば債務超過であったり、借入金の返済条項の不履行が存在、あるいは連続して営業損失を計上している場合など)が存在している場合には、企業は当該事象が存在している旨などを注記し、会計監査人はその開示が適切かどうかを検討することが義務付けられました。また、開示が適切に行われている場合においても、監査人は監査報告書においてその情報を追記し、投資者に情報提供を行うこととされました。

ゴーイングコンサーン注記の監査において、会計監査人は、当該事象を解消あるいは改善するための対応や経営計画までチェックし、企業としての継続性がどこまで存在するのか判断することが求められています。財務諸表そのものは過去の事業活動を反映したものであるため、従前の会計監査はどちらかというと確定した事象についての検証という色合いが濃かったのですが、最近は、ゴーイングコンサーン注記に代表されるように不確実性の高い将来事象についてまで監査人が一定の判断をした上で意見形成を求められる局面が増えています。

しかしながら、将来の事象について予測をするというのは、高度に複雑化する現代の企業環境においては非常に難しいのも事実です。優れた経営者であっても将来予測を誤ることはよくある話で、経営の専門家でも業界に精通しているわけでもない会計士に対して将来について一定の判断を求めるのは、ある意味酷とも言えます。ゴーイングコンサーンの注記は、特にセンシティブな領域で、監査人が監査報告書に疑義を記載したがために、信用不安を引き起こし、企業の倒産が現実のものとなってしまうという可能性があります。また、監査人が倒産した場合の自身のリスクを極小化するために過度に保守的になり、とにかく疑義を記載するという方向に走ってしまう可能性もあります。しかしながら、ゴーイングコンサーンを定量的に算定するモデルが存在するわけではないため、どこまでを「疑義あり」とするかの線引きは非常に難しいものです。

もっとも、国内景気が好転していることもあり、ゴーイングコンサーンの注記そのものは減少傾向にあります。日経新聞によれば、三月決算の会社中、開示が義務化された2003年3月期においてゴーイングコンサーンの注記を記載した企業は42社ありましたが、2006年3月期には20社と半分以下まで減少したとのことです。今後も景気の回復基調が続く限り、当該注記を付す企業数は減少する傾向は続くと思われます。


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