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■2006年11月15日発行
クリームスキミング
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜
クリームスキミングとは、通信、運輸などの公共サービスにおいて、規制緩和によって参入する新規事業者が、収益性の高い分野のみにサービスを集中させ「いいとこ取り」することを言う。
規制緩和によって新規参入が促進された際、クリームスキミングによって、ユニバーサルサービスを維持することが困難になることが問題となる。
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_2266.html
【昨今の状況】
小泉政権が終わって、政治的話題の中心が北朝鮮をはじめとする国際問題に移り、郵政民営化の議論があまり大きく取り上げられなくなりましたが、郵政公社の民営化が来年10月に迫り、法案改正等も最後の詰めに入ってきています。
総務省は、11月4日、中平蔵前総務相の研究会が6月にまとめた報告書をもとに行ってきた信書便法改正案(地域を限定した親書便事業新規参入を目玉とした改正案)について、郵政公社の反対を受け、地域限定の新規参入は改正案に盛り込まないことにしたと発表しました。
この議論で最大の論点が、いわゆるクリームスキミングです。
すなわち、地域限定参入反対論者は、郵便事業の特徴から、他の産業と比較しても、民間事業者による新規参入が総じて容易であり、利益追求の目的から、大都市やダイレクトメールを中心としたクリームスキミングを発生しやすい特徴があるため、地域限定算入を認めると、郵政公社の収益基盤が揺らぎかねないと主張しています。
確かに、一理ある論調ではありますが、クリームスキミングの問題を過度に問題視すると、事実上の新規参入を阻害し、従来の目的を達成出来なくなってしまう懸念があります。
参入するサイドから考えると、一定の義務づけをされた上で、一遍に全国、全面的に参入するというのは極めて難しく、段階的に算入していく道筋を閉ざしてしまう今回の決定には、批判も出るであろうことが予想されます。
視点を変えると、郵政公社は引き続き税制上の恩恵を受け、かつ郵便局やポストなどの資産を全て受け継ぐという有利な位置にあると言えます。出発点で既に新規参入事業者よりも有利な位置にあるのに、新規参入事業者にも公社と同様のユニバーサル・サービスの提供義務を課すという方針は不合理だとも言えます。
また、過去、電気通信事業分野では、既にNTTは民営化されていたにも関わらずユニバーサル・サービスの提供義務を課す一方、新規参入事業者には、収益性の高い地域だけの参入(クリームスキミング)を認めていたではないか、総務省は、身内の郵政事業に関しては、既存事業主(郵政公社)に甘すぎる、という主張もあります。
私見ですが、ユニバーサルサービスを維持しつつ、競争環境を持ち込む手段を単純に無くしてしまう今回の決定は、合理的とは言い難いと感じます。
一部地域のみの新規参入を認めることが困難なら、郵政公社のインフラを一部利用した上での新規サービス提供方法を解放するなど、ユニバーサルサービスを維持するためのコストを事業者で負担し合いつつ、新規参入を認めるといった他の代替案を検討すべきではないかと感じます。
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