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■2006年11月8日発行
LLP
LLPとは、有限責任事業組合のことで、所有と経営を分離しないながらも株式会社のように出資者が有限責任しか負わない組合形態のこと。
民法組合と同様に人的会社であるため、出資者に直接課税されるため、経理体制なども簡素で済む可能性がある。
わが国でも2005年に導入されており、起業の活性化を図ろうとしている。なお、わが国では"有限責任組事業組合"と呼ばれることになる。
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【昨今の状況】 LLP(Limited Liability Partnership / 有限責任事業組合)は、主に米国、英国において発達してきた組織形態ですが、日本においても「有限責任事業組合に関する法律」が施行され、この形態が認められることになりました。日本においては、全く馴染みのなかったこの形態も、現在では様々な事業に利用されており、法施行以来、設立数は千件を超えた模様です。
日本版のLLPの特徴として掲げられているのが、@構成員課税、A有限責任制、B内部自治原則、の3点です。@の構成員課税はいわゆる「パススルー課税」と呼ばれているもので、LLPを組成する上で最も特徴的なポイントとされています。パススルー課税の定義ですが、下記のようになります。
「パススルー課税とは、法人等の利益に対して課税せず、その構成員の所得に対して課税する課税制度のこと。構成員課税とも呼ばれる。
通常、法人の所得を個人に分配する場合、法人税を支払った上で、配当にも課税されるが、パススルー課税が利用できる場合、個人の所得税の支払のみで足りることになる。(〜exBuzzwordsキーワード解説より〜)」
つまり、法人の場合、二重課税の問題が発生しますが、LLPの場合、それを回避できるということです。また、LLPの事業が赤字だった場合、他の個人の所得とこのLLPの赤字分を合算して課税所得を減少させることができる(ただし、出資額を限度とする)ことも大きな特徴です。
これは、LLPはあくまでも「組合」であり、法人格が存在しないため、従って法人税も課されないというロジックに基づきます。一方で、従来の組合(民法組合)においては、無限責任が原則であったのに対し、LLPにおいては、有限責任が原則とされたため、出資者は出資額以上の責任を負う必要がありません。これが、Aの有限責任制です。
また、LLPの場合、株式会社とは異なり、取締役会や株主総会の開催、あるいは監査役の選任といったことが義務付けられていません。組合としての意思決定は、出資者の総意をもって行ないます。また、株式会社であれば、株式の持分比率に比例して議決権や利益分配権が決まってきますが、LLPの場合、出資額に係らず利益の分配や権限を自由に決めることができます。これが、Bの内部自治原則です。
米国や英国においては、会計事務所や法律事務所が高額の損害賠償訴訟に備えて、構成員の責任を有限化する観点からLLPの形態を利用するケースが多く、いわばリスク回避の側面が強かったのに対し、シンガポールなどは、政府が中小企業活性化のためにLLPの形態を導入したといわれています。日本においては、後者の観点から導入された模様です(なお、日本においては、公認会計士、弁護士などのいわゆる士業が集まり、LLPを使って監査業務や弁護士業務を行なうことは認められないことが明確化されました)。
事例としても、新規事業の立ち上げや、複数企業同士の共同開発事業、ベンチャー企業と大企業との提携事業などに利用されるケースが多く、数としてもここにきて急速に積み上がっていることを見ると、まずは法施行の趣旨からすると順調な滑り出しのようです。
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