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■2006年10月11日発行

派遣社員

派遣社員とは、派遣会社から派遣される臨時雇員のこと。
派遣社員は、派遣会社の従業員であるが顧客の要請に基づき、派遣会社の命を受けて顧客企業の指定する場所でその指示の下で就労する。顧客企業は派遣料を派遣会社に対して支払い、派遣会社が派遣社員に対して給与を支給する。

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【昨今の状況】
人材派遣は、企業の人件費削減ニーズや労働力需給の調整弁としての役割等を受けて、増加を続けており、労働形態としては既にポピュラーなものとなっていますが、いわゆる「士業」など派遣が認められていない業務や職種も少なからず存在しています。しかしながら、この度、政府が税理士、司法書士、社会保険労務士の三業種については、一部限定付きではあるものの労働者派遣を認める方針を決めたように、基本的には規制緩和の方向にあり、解禁される分野は広がりつつあります。

製造業の分野においては、2004年に派遣が解禁されたばかりですが、派遣の形態をとらずに、請負の形態をとるいわゆる「偽装請負」が問題となっています。この問題自体かなり以前から指摘はあったものの、今月ついに厚生労働省が製造請負大手の「コラボレート」(大阪市北区)に対し、違法な偽装請負を繰り返していたなどととし、偽装請負に絡む初めての事業停止命令を出しました。

請負は本来、発注を受けた請負会社が、発注者の指揮命令がなくても注文された製品を完成し、発注者に納めることができなくてはなりません。ところが、偽装請負の場合、名目上は請負という形をとりますが、実際は請負会社が発注者に労働者だけを送り、発注者の指揮命令下で製造に携わせるという形をとります。これは、労働派遣法などに抵触するれっきとした違法行為です。しかしながら、松下電器産業やキャノンなど名だたる企業グループにおいて次々と受け入れの事実が明らかになるなど、製造業界内では偽装請負と知りながら発注者側のメーカー側がこれを黙認してきたケースが常態化しているようです。

この手法が横行している背景として、請負は派遣に比べ、発注側のメーカーにとって、メリットが大きく、ここに着目した業務請負会社が積極的にこの手法を営業してきたことが挙げられます。というのも、派遣の場合、メーカーに使用者責任や安全衛生上の義務が生じますが、請負であればこれが曖昧になり、直接的には責任を問われないこと、また派遣の場合、派遣期間が1年を超えると受入れ企業は、派遣労働者に対し直接雇用を申し入れなければなりませんが、請負であればその必要がなく、労働力が過剰になれば請負契約を解除すれば足るため、人件費の抑制や人員の調整をしやすくなるからです。

ところが、偽装請負の場合、請負労働者は低賃金、社会保険の不備、雇用の継続性など不安定な立場に置かれるばかりか、また労災に遭遇した場合、救済が十分なされないおそれがあります。約二年前、日立製作所の工場で、請負会社の作業員2人が発電機の検査中に感電し、死傷する事故が発生し、大きなニュースになりましたが、工場での作業中に健康被害を受けた場合であっても、請負社員ということで何の補償も受けられず、泣き寝入りするケースも多々あるようです。

失われた十年を経て、企業体質の改善に努めてきた日本の製造業の復活が叫ばれる昨今ですが、その光の影で偽装請負のような闇も存在するのも事実です。当局の指導を受けて、キャノンなど一部の大企業は、生産人員の体制を見直し、直接雇用の割合を増加させる方針を打ち出しています。今後、当局の取り締まりはより厳しくなることが予想されますが、一方で企業側もコスト削減努力を続けなければなりませんから、偽装請負もより巧妙化していく可能性があり、今後動向を注視していく必要がありそうです。


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