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■2006年8月2日発行
公募増資
【キーワード解説】 〜exBuzzwordsキーワード解説より〜 公募増資とは、新株発行に際して公募を行う増資のこと。
公募増資は、時価による発行が一般的であるが、特に有利な価格で発行する場合は、株主総会の特別決議を必要とする。
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【昨今の状況】 日本航空(JAL)は、6月30日、最大で2200億円の大型公募増資を実施する事を発表しました。この増資発表は大きな議論を呼びましたが、それはJALが赤字無配企業で、増資発表のタイミングが株主総会の直後であったこと、さらには増資の内容が発行済み株式総数が4割近くも増加させるというものであり、様々な面で異例ずくめのものであったからです。
公募増資は、既存株主の権利を希薄化させるため、マーケットの理解を得るためには、増資資金の使途とそれに伴う成長シナリオをきちんと説明することが本来必要です。JALの場合はというと、株数が4割も増加し、調達目標額も2000億円という稀に見る大型増資であったにも係らず、トラブルの多発、社内の権力闘争の激化、組合と経営陣との対立、業績の悪化といった近時のネガティブ情報のオンパレードを打ち消すだけの成長シナリオは打ち出されることはありませんでした。また、資金使途についても、名目上は航空機の購入資金と説明されてはいるものの、金融機関からの調達が非常に厳しくなっている状況を考えると、大半は来春に償還期限を迎える一千億円の新株予約権付社債の償還資金として消えることが予想されています。
増資発表のタイミングについても、株主総会のわずか2日後になされたことに加え、増資決定を行なった取締役会においても直前まで議題が伏せられ、議論する間もないまま決議されていたことが明らかになり、経営陣のガバナンスに対する姿勢が問題視されました。これに関連して、却下はされたものの、個人株主の1人が手続に問題があるとして、増資の差し止め請求を裁判所に申し立てるなどの動きもありました。
とにかく今回の公募増資はマーケットからは非常に不評で、発表当日の終値が287円であった株価は下落を続け、新株の発行価格は212円と当初想定していた価格を大幅に下回ることになりました。そのため調達額は当初目標額の2000億円の7割程度の1400億円弱にとどまる結果となりました。
しかしながら、(マーケットへの説明責任やガバナンスの問題点は別にして、)JALの業績や財務状況を考えると、資金調達手段は極めて限定的であり、公募により資金が調達できる限りは、今回の調達は現時点で考え得るベストの手段であったことも事実です。格付投資情報センター(R&I)によるJALの発行体格付けは「ダブルBプラス」であり、いわゆる投機的格付けに位置するため、一般の企業であれば公募増資は非常に困難なはずですが、JALの場合、民営化された現在もなお、公的企業としての性格が強く、その分格付け等に示されるリスクを投資家が割り引いて考えているため、公募増資が可能であったと考えられます。本来であれば、リスクを積極的にとる投資家を探してきて、(会社及び既存株主にとって)厳しい条件でのファイナンスを受け入れざるを得ない状況であったことを考えると、レスキューファイナンス的な性格が濃いファイナンスを公募増資により実施されたことにより、既存株主はレスキュー(救済)されたともいえるかもしれません。
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